★★★★★ 2005-03-14 これまでのとは違う版
LDとの違いを指摘されている方がおりますが、まさしく違う素材です。
以前リリースしていたビデオとLDはヨーロッパのPAL素材を元にした上、台詞を若干カットしているものでした。PAL素材は24コマを25コマで収録するため、かなり違ってきます。劇場でフィルムで見た人はこちらの印象があると思います。また昔LPもありましたが、それと比べられればテンポがどちらが正しいか分かるでしょう。私もLP持ってますが。
以前の素材は明るすぎる嫌いがありましたが、こちらは少し暗く赤みがあります。アメリカの素材を元にしているのですが、どうしてこうなったのかは? ヨーロッパの素材はこういう違いが出てくるので、なかなか判断がしにくいですが、愛着がある方ならメイキング映像付きのフランス版だと、昔の印象で見直せます。正しくはないですが。
今時だとハイヴィジョンで録ってこの変換の誤差をなくすために逆に25コマだったりするので、例えば映画「トスカ」のDVDは、フィルム上映版よりDVDが正しかったりします。
★☆☆☆☆ 2004-05-20 残念なことに…
魔笛を素晴らしく再現したこの作品!なのに信じられない!音が半音低く収録されてしまっている。従ってテンポも演技も遅くなり画面は暗め。ベルイマンの意図は半減している。違いが分かるのは同じものをLDで持っていたから。見比べるとまるで別物。このことはメーカー側に質問したが無回答。少し位のクレームは無視?返す返すも残念でたまらない。出来ることなら修正版をもう一度出してほしい。私買いますよ。
★★★★★ 2004-01-25 子供たちに見せてあげて欲しい。
モーツァルトの『魔笛』自体については語れるほどの素養も何もないのですが、・・・ この作品は、そんな私が何の予備知識もなく観ても、素晴らしかった。ということだけは伝えさせて貰いたいと思います。ベルイマンの作品は、哲学的、内省的、シリアス過ぎるというイメージだけが先行して(確かに否定も出来ませんが、)、取り付きにくく感じていらっしゃる方も少なくないと思いますが、この作品は劇中劇という一見複雑な構成ながら、ベルイマンのテーマの本質である生きる意味、生への歓喜が非常にストレートに伝わってくる作品になっていると思います。それはもうわくわくとしてしまうくらいに素敵に伝わってきます。おそらく、この作品を観たら、ベルイマンの他の作品に対する見方も少しは変わってくるような気もします。そして、もうひとつ、スウェーデンではこんなに幼い子供の頃から普通にオペラに触れられる機会があるんだということが、とても羨ましく感じられたということも付け加えさせて下さい。オペラの入門DVDとして、大人の方だけではなく、ぜひ子供たちにも見せてあげて欲しい作品だと思います。
★★★★★ 2003-08-15 やはり買ってしまった。お勧めです。
「魔笛」は基本的にジングシュペール(歌芝居)なので芝居の部分を強調することはできると思うし、事実音楽、アリアよりもストーリーを追って観たはじめての「魔笛」でした。
ケースに書いてあるのですが、クライテリオン版リマスターのオリジナル完全版とのこと。日本初お目見え、カットされていた部分追加とPAL変換の違いの改善版。
他の方が的確に細かい点を指摘されているのも驚嘆ですが、事実、ベートーベンも「魔笛の主題による変奏曲」を作曲しておりますし、ゲーテもかなりの賞賛をしていたらしい。(ファウストの悲劇第2部、魔笛の2幕のような展開を望んだ節もあるんです)それだけ当時も深く人の心の中に入り込んでおりました。
実際、現代でも、モーツァルトは天才だということをベルイマ!ンがこの映画「魔笛」で見事に表現しております。
善と悪、太陽と月(夜)、父と母、の二元論の隠れた構成、そして母からの子供の巣立ちと自立(真の約束の地を求めての死をも恐れない恋人たち、第3の試練あたりの表現です)と試練を克服するときのファンファーレ、素晴らしい。楽しい試練の人生のドラマでした。ラブストーリーとしても良いですし、大のお勧めです。ここからオペラ観た方がわかりやすいです。
★★★★★ 2003-07-24 いとおしい、ベルイマンの「魔笛」!!
ベルイマンの「魔笛」には、“舞台空間”というものが持つ、現実と虚構の境目の危うさ、そこにしかない蠱惑的な魅力がある。同じベルイマン監督の映画「ファニーとアレクサンデル」の世界にも通じる魅力・・・。
映画「魔笛」の中に登場するオペラの観客達の表情とその変化は、現実から幻想の世界へと引き込まれてゆく過程を、映画を観る私たちにも共有させてくれる。
北欧の長く厳しい冬の中、慎ましい日常を過ごしつつ、春を心待ちにする人々にとって、パパゲーノとパパゲーナが幸せを歌いながら無邪気に服を脱ぎ捨てていく場面ほど、歓びに満ちた瞬間はないだろう。
いかにオペラというものがヨーロッ!パの人々に愛され、大切にされているかを、心底思い知らされる、そんな映画だ。
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