モーツァルト:歌劇《コシ・ファン・トゥッテ》
モーツァルト:歌劇《コシ・ファン・トゥッテ》バレンボイム(ダニエル)
価格:¥ 6,090 (DVD)
(参考価格:
発売日:2004-02-04
おすすめ度 ★★★★☆
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★☆☆☆☆ 2004-12-24 「現代風味付け」、だが無意味。
途中で見るのを止めてしまった。演出があまりにひどい。19世紀の話を現代に置き換えるのはいいとして、ふざけて剣を抜くのと傘で突きあうのでは意味が違うだろう。いい大人が傘を剣に見立てて遊ぶのは、まったく白痴的で見るに耐えない。が、それに耐えたとしても、本当の試練が待ち構えている。恋人変身ドッキリのターゲットとなる三人の女が、極端に醜い。顔は決して不細工じゃないのに、ことさら下品で憎々しげな振る舞いをするのだ。大あくびしたりポテトチップスを食べ散らかしたり。兵役に取られる恋人たちが別れを告げに来る場面では、何と交接が始まりかける。これじゃまるっきり「動物」だ。演出家は作品の意図を取り違えているのではないか。原題を訳すと、「女はみんなこんなもの」。だが女はみんなだらしない生活態度を好むとか下品であるとか言ったら怒られるだろう。少なくとも僕のロマンティシズムは怒りをおぼえる。これはライフスタイルの問題であって、気勢をそがれたり退屈すると、人にもよるが安きに流れがちになる、と言う事だ。まるでチャーミングではない退屈した女がコロッと態度を変えたところで、我々には何の感慨も浮かばない。ああそう、と気のない感想が関の山である。舞台から興味が離れているので、作者が望んだショックを与えられないのだ。チャーミングな女性があっさり恋人を換えるのを見るとき、我々はショックを受ける。このショックで笑う者もいれば、ムキになって反発する者もいるだろう。いずれにせよ、それこそが作者の意図する「生き生きとした反応」である。そして余韻を作るのが、「女はみんなこんなもの」という慰めの言葉である。実際にそうかどうかは問題じゃない。それは実の人生で各人が味わう事柄だ。
そうした事情をまるで考察していないから、この演出家は作品を殺してしまったのだ。
★★★★☆ 2004-08-31 演出には納得
〜ドリス・デーリエによる《コシ》は、女性の心理が細やかに表され、フィオルディリージの存在感を再認識させる。ドロテア・レッシュマンの歌唱はそれに十分に応えている。彼女の声は中音域から高音域まで安定し、声の美しさ、技巧・表現・声量ともに卓越している。
小道具と歌手の動きが多すぎる演出は、若干演出過多の感はあるが、重要なアリア《Un'aura〜〜 amorosa》(第17番 フェランド)《Per pieta》(第25番 フィオルディリージ)では、じっくり歌を聴かせているので納得。
しかし、デスピーナ役のダニエラ・ブルネラはルックスと演技はいいが歌唱に不満足。アルフォンソ役のローマン・トレーケルは演技・歌唱ともに不満足。バレンボイムの指揮は、少し荒く感じられ、アンサンブルに不満。〜
★★★★☆ 2004-07-03 コミカルで可愛らしい、笑える「コシ」です
「愛され作戦」でD・デーリエ監督のファンになったのですが、このオペラの中でも、この女性監督は、女性の可愛らしさをうまく表現しています。「コシ」はずいぶんと女性をバカにした筋ですが、こうやって見せられると、実は生き生きと女性を愛らしく描いているオペラなんだなあ、と思わされます。本人は真面目でも、はたから見ると非常にこっけいでそれでいて可愛らしい、そんな風にヒロイン姉妹を描いています。DVDなので、舞台と違って表情が良く見えるからいっそうそれがわかります。
演出は斬新で、グリエルモがブリーフ一枚になるシーンがあったり(見るに耐える身体の歌手で良かった)、性的な暗示のしぐさもたくさんあります。
女性二人は少々太めですが、レッシュマンは非常にいい声をしています。
コシなんか退屈、という人にもお奨め。
★★★★★ 2004-02-16 スタイリッシュな現代風演出
オペラは「愛」が主題なので、最近の歌手はなかなか大変だ。セックス・アピールが重視されて、下着や裸を見せることも増えた。ヨーロッパでは一糸纏わぬヴィーナスもあるそうだが、観客に高齢者の多い日本では、演出家は許容範囲をまだ探索中だ。コンテンポラリーダンスやバレーと違い、声楽家の身体は裸に向いているとは限らないので、悪趣味にならない一歩手前というのがなかなか難しい。その点で、この公演は成功している。フィオルディリージとドラベッラのミニスカート姿は似合うとは言えないが、グリエルモとアルフォンゾに長身でセクシーな男性歌手を配したのが旨い。舞台回しのキーパーソンで老哲学者のはずのアルフォンゾがセクシーな美青年なので、全体がわくわくするような輝きをもつ。『コシ』は『フィガロ』や『ジョバンニ』と違い、筋が単調で退屈しがちだが、60年代末のヒッピーたちのマリファナパーティという設定や、チェ・ゲバラのTシャツ、あるいは現代のジャンボ機が飛ぶ空港など、タイムスリップの感覚が絶妙だ。ミンコフスキ指揮の『後宮』はパレスチナ問題が提示されたように、モーツァルト・オペラの現代風演出は様々な可能性をもつ。60年代感覚のスタイリッシュな『コシ』もまた、何ともいえない味がある。
★★★★☆ 2004-02-06 超現代的演出による、通好みの『コシ』
いわゆるモーツァルトの四大オペラの中では、『フィガロ』『ドン・ジョバンニ』『魔笛』に比べると、国内盤DVDの数で大きく差をつけられている感のある『コシ』に久々の国内盤新譜DVDが登場しました。ところがこの上演、非常に個性的な演出による上演で、話の舞台は完全に現代(というか一昔ほど前の都会人生活の雰囲気)に移し変えられてしまっています。まあ、このような試みはモーツァルトのオペラ、特に『コシ』にはよくあるパターンなので、決してそれが悪いとは言いませんが、やはり二人の士官の軍隊入りが、エリートサラリーマンの長期出張に置き換えられてしまうとなると、いささか事の重大性が違いすぎて、せっかくのモーツァルトの音楽の残酷なほどの美しさが味わいにくくなってしまう、といううらみはあります。そのことを抜きにすれば、登場人物たちの歌唱や演技力、そしてモーツァルトを得意とするバレンボイムの指揮はなかなか立派なものです。ですから、すでにこのオペラの内容をよく知っているモーツァルトファンの方々にとっては、ひとつの新鮮な試みとして充分に受け入れられる内容だと言えるでしょう。初心者の方に対しては、もっとオーソドックスな上演、例えばアーノンクール/ウィーンフィル盤などと観比べることによって、オペラの現代的演出というものを考えるきっかけにしていただくことをお奨めします。
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